日本においては、代替医療は浸透しているとは言えません。
コロイドヨード療法も代替医療です。
情報が少ないということが、その原因の一つでもあるでしょう。
コロイドヨード療法と三大療法それぞれのメリット・デメリットについてまとめました。
コロイドヨード療法のメリット&デメリット
まずは、コロイドヨード療法のメリット・デメリットを見てみましょう。
【コロイドヨード療法のメリット】
・がん細胞のみを攻撃し正常な細胞にダメージを与えない。
・全身に使用することができる。
・化学療法などと併用することができる。
【コロイドヨード療法のデメリット】
・保険外診療なので三大療法と比べて費用が高額である。
・甲状腺疾患がある方は受けられない。
・治療を受けられるクリニックが少ない。
・エビデンスや情報が少ない。
三大療法とは?
日本においては、がんの告知を受けた方に示される治療方法は基本的に、
「手術療法」「科学療法(抗がん剤)」「放射線治療」
です。
これを、がん三大療法(標準治療)と言います。
三大療法はいずれも保険診療であることもあって、約85%の方が三大療法のいずれか、あるいは2つ以上の組み合わせで治療を行っています。
この三大療法にも、それぞれメリット・デメリットがあります。
手術のメリット&デメリット
手術とは外科手術によってがん細胞などを切除する方法です。
どのような、メリット・デメリットがあるのでしょうか?
【手術のメリット】
・一定期間の入院は必要であるが、比較的短期間で済むこと。
・がん細胞などを一気に取り除くことができるの。
【手術のデメリット】
・がん細胞などの周りの正常な細胞も一緒に切除するので心身への負担が大きく、術後のQOLが下がる。
・医師・施設によって技術力に差がある。
・手術の負担に耐えられる体力・抵抗力が必要である。
・傷跡が残る。
・がん細胞などの場所や大きさによっては手術できないことがある。
化学療法のメリット&デメリット
化学療法とは、がん細胞の分裂を止めたり活動を抑制する薬(抗がん剤)を投与する方法です。
どのような、メリット・デメリットがあるのでしょうか?
【化学療法のメリット】
・全身のがん細胞など(場所や大きさにかかわらず)を治療することができる。
・手術や放射線治療ができないがんの治療もできる。
【化学療法のデメリット】
・がん細胞などだけでなく正常な細胞にもダメージを与えてしまう。
・体への負担が大きく、つらい副作用(吐き気、免疫力低下、脱毛など)が起こる。
・一定期間治療を継続しないと評価できない。
・がん細胞などの増殖を止めたり、小さくするが、根治は難しい。
放射線治療のメリット&デメリット
放射線治療とは、がん細胞に放射線を照射して死滅させる方法です。
【放射線治療のメリット】
・臓器を切除・摘出しないでそのまま残すことができるので、QOLが維持できる。
・手術が難しい場所のがんにも適用できる。
・入院することなく、通院で治療ができる。
【放射線治療のデメリット】
・安全に放射線を照射できない場所や、多くの場所に転移したがんの場合は適用できない。
・正常な細胞もダメージを受け、副作用が起こる可能性がある。
・25~30日間に分けて照射するため毎日通院する必要がある。
・医師・施設によって技術力に差がある。
まとめ
コロイドヨード療法は認知度が低く保険適用もされていない治療法です。
これに対して、三大療法は誰もが知っている治療法で、もちろん保険診療です。
がん治療において、三大療法が優先されることは今後も当面は揺るがないでしょう。
だからといって、三大療法が完璧な治療法であると言うことではありません。
三大療法にもコロイドヨード療法にも、それぞれメリット・デメリットがあります。
がん治療においては、デメリットが全くない完璧な治療方法はまだ無いということです。
まずは、後悔しない選択が出来る環境が早く整うことを願うばかりです。
※参考文献:佐野正幸医師 著 「最先端のがん免疫療法」